三菱ランサーエボリューションX GSR (Mitsubishi Lancer Evolution X GSR)

摘要

1992年にWRCホモロゲーション用モデルとしてデビュー、翌年に登場したスバル·インプレッサWRXと肩を並べるように進化してきたランサー·エボリューションは、2007年に10世代目へ移行した。先代エボIXに比べて100kg増えた車重ゆえ、身内の旧モデルを破るのに苦戦した時期もあったが、スーパー耐久、全日本ラリー、全日本ジムカーナ、全日本ダートトライアルなどハイレベルなモータースポーツに積極的に参加して勝利を収めている。そhな戦闘的イメージに加えて、ブレンボ製ブレーキシステム、ビルシュタイン製ダンパー、アイバッハ製スプリングを親み合わせたハイパフォーマンス·パッケージ（21万円）装着車ときけば、触れれば切れる刃のような先鋭性を覚悟させられる。ところがレーストラックに乗り込hだ筆者は、よくも悪くも期待を裏切られた。まずはエンジン。マイナーチェンジで300ps（221kW）を得た4B11型MIVECターボユニットは、1lあたり150psという比出力ながら4000rpmを割る回転域でも優れたレスポンスを示す一方、トップエンドまで回したからといって特別な刺激性を示すわけではない。サウンドの面でも、思いのほか遮音が行き届いており、アイドリングでもスロットル全開でも騒々しく感じさせないのが特徴だ。