地域スケールでの業務施設エネルギー需要推計方法

摘要

業務施設は事務所，商業施設，医療?福祉施設,宿泊施設， 遊興施設など多様な用途の建物の総称である.本論文にお いて「用途」とは上述のような事務所，商業施設，医療? 福祉施設，宿泊施設，遊興施設といった主たる業務施設用 途の区分を表し，用途によってエネルギー需要の特性が異 なることが知られている.用途に加え，業態についてもエ ネルギー需要の特性を表す重要な建物K分と認識されてい る.「業態」とは各建物用途をさらに業務形態によって区 分することを表し，例えば，商業施設には西貨店，食料品 スーパー，衣料品スーパー，ドラッグストア，コンビニエ ンスストアなどの業態がある.用途?業態がエネルギー需 要に関して重要と認識されているのは，用途?業態によっ て，エネルギー需要を直接決定づける建築仕様，建築設備 仕様，稼働状況，また，それらの組み合わせに一定の傾向 がありぃ’エネルギー需要を特徴づけることに起因する 本論文で取り上げる「地域」も用途?業態と同じようにそ れらのエネルギー需要決定要因を特徴づける働きを持つ. 街区単位でみれば，地域が変わると集積している業務施設 の用途.業態が異なるほか，施設の高さ，容積，形状等は 地域の区画，法規等により規定され，同じ地域に立地する 業務施設はある程度共通の形状的特徴を持つ.都市圈，国 土のスケールでみれば，地域が異なると温湿度，射，大 気質等の気象条件，環境条件が異なり，冷暖房需要や加湿， 除湿，換気等への要求が変化する.建築設備は気象条件， 建築仕様，設備稼働状況によってその採用状況や仕様が異 なることが明らかにされており,他の要因と同様に地域 によって傾向が異なると考えられる.この結果として，ェ ネルギー需要は地域によって特徴づけられると考えられる.