CO{sub}2海洋隔離の経済的便益評価

摘要

大規模なCO{sub}2吸収リザーバーとして期待されている海洋隔離技術は着実に進展し，事業化を視野に入れて研究開発を行う時期に達しつつある．またIPCCでは海洋隔離技術と地中貯留技術に関する特別報告善作成に向けてLead Author 会議が開催され，米国ではCSLF（Carbon Sequestration Leadership Forum）が開催されたりするなど，国際的に海洋隔離技術に対して関心が高まっている．これに伴い，貯留·隔離技術の技術的実現性，経済性，環境影響，社会受容性などの社会経済的有効性の評価が求められている．海洋隔離による隔離ポテンシャル量や期間などの技術的有効性に関する評価は，古くから海洋科学の分野において研究がなされてきた．最近では化石燃料時代が終焉する将来時点での大気濃度定常状態を550ppmvとした場合の，海洋へのCO{sub}2吸収量のポテンシャルは約1,600GtCと試算されている．