森林バイオマス資源の活用による地域振興策－北海道下川町の取り組み

摘要

下川町は，北海道北部に位置し，最高気温が30°C以上，最低気温が-30°C以下となり，寒暖の差の激しい地域である．面積は，東西約20km，南北約30kmの広がりを持ち，64，420ha（東京都23区とほぼ同じ大きさ）の面積を有し，その内約58,000haが森林である．かつて銅山の操業などで栄えた本町は，昭和35年の国勢調査で，人口15,555人を数え，鉱業のほか，町内には2つの営林署が存在するなど，鉱業·林業とも大変栄えていた．しかし，社会情勢の変化などによって，銅山の休山，安価な外材輸入による林産業の衰退，営林署の統廃合，JR名寄本線の廃止など，大変厳しい状況が続き，昭和55年の国勢調査では，全国で4番目の人口減少率を記録した．平成23年6月末における人口は，3,670人でピーク時の四分の一以下となり，少子高齢化の進行，地域産業の衰退，労働者数の減少など，地域における状況は厳しい状況である．