可燃性蒸気が存在する雰囲気下で使用可能な高速切断器具（大きさ,性能は従来程度）の開発－WJTSJ消防防災科学技術研究特別プロジェクトの成果概要

摘要

近年に発生した重大な車両脱線事故では，可燃性蒸気が発生する事態が起こり，既存の救助用資機材では引火の危険性があるため使用できず，救助作業が難航することが生じた。そのような背景のもと，日本ウオータージェット学会では，平成18年度より3年計画で総務省消防庁からの委託研究を受け，防爆性能に秀でかつ無振動であるウオータージェットを利用し，可燃性蒸気下でも使用可能な高速切断機具の開発を実施した。本研究では課題を解決するため7つのヮーキングを設けて詳細な検討を行い，当初目標であるウォータージェットカッターシステムの構築，性能評価，使用時の安全性検証と安全範囲の確認および次世代機器の基礎開発を実施した。本論では委託を受けた3年間に実施した各ワーキングの活動と成果概要および全体の総括について報告する。