感性評価値を用いた対話型進化計算による三次元物体デザイン手法

摘要

近年、3Dプリンタが普及し、一般の人が自分で物体を作ることが可能になってきた。しかし、一般の人が、自分自身で満足できるような物体のデザインを自ら行うことは難しい。本稿では、デザインの専門的な知識のない人でも容易に自分の好みの物体をデザインするためのシステムを提案する。このシステムは対話型進化計算を用い、物体の形状及び色を表すパラメータをユーザの好みや主観評価に基づいて、最適設定するものである。しかし、パラメータが取り得る値の数が多い場合、この手法ではユーザが最も好む最適解を求めるのに時間がかかり、限られた世代交代数で最適解を求めるのは難しいという問題点があった。そこで、最適解あるいは十分最適と言える解を効率よく取得するために、人の感性評価値及びユーザの選択履歴を用いた新しい対話型進化計算を提案する。実際に、化粧品ケースのデザインに適用し、その有効性を示す。