次期動画像符号化規格に対応する分割形状高速決定法

摘要

スーパーハイビジョンの本放送開始など，動画像の高精細化が大きく進hでいる. この高精細化に伴い動画像のデータ量が大幅に増大することから，更なる圧縮率の向上に向けて，次期動画像符号化規格の開発が進められている. しかしながら，開発中の次期動画像符号化規格では分割の自由度を大幅に高めているために，最適な分割形状を定めようとすると，膨大な処理が必要になる.本報告ではこの処理量低減を目指した対象CTUの近傍4つのCTUで検出された動きベクトルの分散値と対象CTUの輝度値分散を用いて，候補となる分割形状を低減する手法を提案する. また，提案手法を次期動画像符号化規格の参照ソフトウェアJEM-5.0に実装し，許容されるブロック分割候補のすべてを試行する従来手法に比べ，BD-rateの増加を5%程度に抑えながら，エンコード時間を20%以上削減できることを示している.