経路選択行動の解析とそのモデル化

摘要

本研究は作業現場や道路の横断時の人間の行動を予測し事故を予防することを目的に，人間が経路の決定において用いている方略について検討及びモデル化を行らた．実験では往復運動する障害物を呈示した．仮想空間において，被験者に二点間を歩行移動してもらい，その経路軌跡が収集された．実験結果からは，距離の節約の傾向，直進指向性といった経路選択行為における特性が示された．続いて，大局的に経由点を計画するプロセスと実際に移動中に行われる局所的な経路変更の2プロセスからなる経路選択行動モデルを提案した．このモデルは概ね実験結果に近い振る舞いを示し，モデルの有効性を示すものであった．