視線追跡装置による日本語学習者の文章読解過程の研究(III)－サッケード1回の移動距離および速度

摘要

日本語学習者の読解上の問題点を知るために、外国人の5つのグループ、比較するための日本語母語話者グループ、あわせて6グループの日本語と英語テキストの読解における眼球運動を計測した。 読解中の視線データから1回のサッケードの移動距離と速度を分析したところ、両者は相関関係をもち、日本語テキストの読解におけるサッケード速度がもっとも速かったのは漢字圏グループ、サッケード距離がもっとも長かったのは日本語圏グループであった。 本稿ではこれらの分析結果を報告する。