CAE基本編：'Winner takes All'の時代、CAEはどのような役割を果たすのか

摘要

これまで解析技術者のためのツールであったCAEも、機能·使いやすさが向上し、現場の技術者でも利用しやすくなってきた。 製品開発現場でのCAE活用は、今後さらに重要性を増してくるであろう。 本企画では、関西でCAEのユーザを中心として情報交換·交流活動を行っている関西CAE懇話会の田中豊喜氏にCAEの基本について解説していただく。 CAE (Computer Aided Engineering)の基本技術である有限要素法は、変分原理を基盤とし、1956年ボーイング社の授術者と、カリフォルニア大学、ワシントン大学の教授により、航空機の後退翼の構造解析で、初めて紹介された。 当時、航空機の速度は音速に近づき超えようとしており、音速前後の飛行を可能とするため、航空機の形状も、それ以前の直線発とは違い、空気力学的要請から後退翼が採用された。この形状は従来の方法では、解析できず、新しい解析法の必要性が高まり、有限要素法が誕生した。