最適生産システム構築のためのオブジェクト指向型シミュレーションツール

摘要

日本経済の屋台骨をささえてきた製造業が曲がり角を迎えている．国際競争力の低下や，それに伴う産業の空洞化が叫ばれて久しい．現実には労働者の高齢化や生産コストの高騰，IT化への立ち後れなどさまざまな問題がある．しかし，高度に機械化された日本の工場は，まだまだ世界のトップレベルにある．情報技術(IT)の積極活用などの工夫で十分競争力を取り戻すことができる底力を持っている．ここでは，そうした観点から生産システムの構築の情報化として，オブジェクト指向型生産シミュレーションツール「eM-Plant」を題材に，実際の製造現場における活用例を中心に解説する（図1）．