特化則改定に対するホルムアルデヒドガスによる室内殺菌：その問題点と対策

摘要

ホルムアルデヒドガスによる殺菌は、安全キャビネットなどの小空間から製薬工場などの大空間まで従来から広く採用されてきた。しかし、ホルムアルデヒドの発がh性の問題や、昨年、特定化学物質障害予防規則が改定されホルムアルデヒドが第3類物質から第2類物質にランクが上がったことなどを受けて、本薬剤を燻蒸殺菌に使用することが敬遠されてきており、最近では過酸化水素、オゾン、過酢酸などのホルムアルデヒドに代わる薬剤の使用も報告されている。これらの代替薬剤は、酸化剤であり、素材に対する腐食性が大きい。ホルムアルデヒドは芽胞菌を死滅させる非常に効果の高い薬剤であり、また内装材、生産機器などの各種素材への腐食性も少ないことから現在もなお主流となっている。ホルムアルデヒドを用いた燻蒸に関しては、本年4月、厚生労働省は特定化学物質障害予防規則の（燻蒸作業に係る措置）第三十八条の十四を改正し、ホルムアルデヒドを追加し、燻蒸後の濃度基準値0.1ppmを決定し燻蒸に関する規則を定めた。この規則に沿ったホルムアルデヒドガス燻蒸を実施す、るためにどうすればよいか。ここではホルムアルデヒドガスによる室内殺菌の一般的な手順を述べ、現実の問題点などを挙げその解決の方法について述べる。