空気感染防止を目的とした院内環境：特に、病室·待合室における感染防止対策

摘要

地球温暖化や森林伐採などが進み、世界規模で新たな感染症(EID: Emerging Infectious Disease)および再興感染症(RID: Re-emerging Infectious Disease)が拡大しつつある。 病院内の快適性や診療設備は充実し、情報システムも近代化してきたが、空調·換気設備面での院内感染防止策は不十分であることが多い。特に総合病院では、様々な患者が集まるため、空調·換気設備を含めた総合的な感染防止対策が必要である。 しかしながら、病院施設の高気密化·高断熱化に伴い、建物外部からのすきま風は減少し、また、経済的理由から換気回数を必要以上に取らなくなったため、菌が施設内に長く浮遊する危険性が高くなった。