3.11東日本大震災からの教訓: 東北大学動物実験施設での経緯と被害

摘要

平成23年（2011年）3月11日14時46分、三陸沖で発生した震災は未曾有の災害であった。マグニチュード9.0、その後の津波等により全国の死者18,703名、行方不明者2,674名（平成25年（2013年）9月1日時点、宮城県HPより）の犠牲者を出した。宮城県では震度7～6弱と最大であり、死者行方不明者の内の55%（11,748名）が宮城県の犠牲者であり、最大級の被害を被った。東北大学では学生2名と入学予定者1名が死亡と伝えられ、建物被害も危険判定28棟、要建替え3棟、被害総額800億円と報告されている。大学の研究基盤の最も大きなものの一つとして動物実験施設があるが、今回の震災での医学系研究科附属動物実験施設の被害状況とその対応を報告する。