ツインボイスコイルリニアモータとその展開

摘要

産業用サーボ系の位置決め装置として、回転型サーボモータとボールねじの組合せがもっとも多く採用されている。しかし近年、一部の装置·機器でリニアモータが採用され始めてきた。その理由の多くは、従来のボールねじの性能限界を超えた、●高精密位置決め●高速·高加速度化●クリーン（低発塵）●長寿命を実現させるためにリニアモータを採用している。産業用位置決めリニアモータとして、ショートストロークで、比較的小推力用にはボイスコイルタイプモータ (VCM) が、高推力または、ロングストローク用には三相同期リニアモータ (LSM) が一般に使われている。 特にボイスコイルタイプは、比較的容易な構成のため、近年、半導体製造装置のショートストローク用直動装置に多用されてきている。更なる高速化、高精度の要求に対応すべく、高推力、高速応答に優れたボイスコイルタイプモータ (ツインボイスコイルリニアモータと命名、以下TVCM) を開発したので、ここに紹介する。