フォールトトレランスを有する電動機駆動系の実現～オブザーバとFFTの組み合わせによる制御、故障検出および分離

摘要

さまざまな分野で幅広く用いられている電動機駆動系は、産業界において重要な役割を果たしており、必要不可欠な技術となっている。 その信頼性を増すため、最近では電動機駆動系の内部で発生する異常をいち早く検出するための故障検出·診断の研究が、国内外の大学、企業で盛hに行なわれるようになってきた。 そこで報告されている研究は、故障発生頻度が高いインバータや電動機を中心に行われており、それらは内部に故障が発生した場合、いかにしてその故障を検出するかという故障検出に主眼が置かれている。その研究一例として、インバータに関しては文献［2］［3］が、電動機に関しては文献［5］［6］［8］［9］等が挙げられる。しかしながら、制御系に新たな付加価値をもたらすためには、内部の故障を検出するだけではなく、故障後にその故障の影響をできるだけ抑え、ひき続き制御性能を保ち続けるフォールトトレランスの概念が必要となってくる。