アレーアンテナ技術を適用した放射イミュニティ評価装置の電界分布検討

摘要

MIL-STDや工業会基準（例えば，SAE J1113-21）に記載された放射イミュニティ評価では，100V/m以上の強電界を定められた周波数帯域で放射し，定められた範囲内の電界の均一度も決められている．そのため，この評価に必要な設備は，広帯域で高出力可能なアンプ等，非常に高価な試験設備の導入費用が必要なだけでなく，運用維持するうえでも高額な費用や長期間にわたるメンテナンス必要なことが問題である．そこで，アレーアンテナ技術を放射イミュニティ評価装置に適用し，小出力アンプを複数用いて，強電界と均一度を両立する放射イミュニティ評価装置を検討している．今回は，評価装置の実現に向けた検討として，64素子アレーアンテナによる放射イミュニティ評価装置を試作し，この試作したアレーアンテナ近傍の電界分布を実測した．また，実測した素子アンテナの放射パターンを用いた電界分布の計算値と比較することにより，本検討におけるアンテナ近傍でビーム合成する計算方法の妥当性を評価した．