広帯域電磁波源による医用電子機器のEMC問題に関する検討

摘要

本研究では、輸液ポンプ、シリンジポンプ、医療用テレメータ、人工呼吸器の4種類の医用電子機器に対して放射イミュニティ試験を行ない、放射電磁界が医用電子機器に与える影響について検討を行なった。またIEC規格準拠のAM変調波による試験の他、無線LAN信号とUWB信号を妨害波源として用いることで広帯域な電磁波が与える影響についての検討も行なった。その結果、まず輸液ポンプとシリンジポンプについては、AM変調波による試験において、400MHzや800MHz及び1.5GHzなどのある特定の周波数及び偏波で誤動作が確認されたが、1.5GHz及び2.1GHz以上の高周波では誤動作は確認されなかった。一方、無線LAN信号とUWB信号を用いた試験では誤動作は確認されなかった。無線LAN信号、UWB信号での試験のみ行なった医療用テレメータでは、特定の角度において水平偏波の影響を受けやすいといった結果になった。