大規模並列コンピュータ用通信ネットワークのシミュレーション方式

摘要

本文では、大規模並列コンピュータ用通信ネットワークの通信性能評価のためのシミュレーション方式を提案し、その実装について述べる。 従来用いられていたイベントドリブンのシミュレータと異なり、通信ネットワークを構成する通信路のバンド幅に着目し、そこを流れるメッセージの流量（フロー）から与えられたパターン（たとえば全対全通信など）のノード間通信を行うのに必要な時間を算出する。 ネットワーク上での通信メッセージの衝突による性能低下をパケットレベルではなくフローで扱う。 このため大規模なネットワークでも高速にシミュレーションを行うことができる。 ネットワークを構成するハードウェアの実装の詳細に立ち入らずにネットワークそのものの持つ性能の評価が可能である。