耐震設計の実務：埋設配管の耐震設計

摘要

地理的条件により、地震から逃れられない我が国においては、1923（大正12）年の関東大震災以降も記録に残る大地震が発生している。 近年では、1995（平成7）年の兵庫県南部地震による大災害が記憶に新しい。 さらに、昨年には新潟県中越地震、本年に入っては福岡県西方沖地震の発生を見ている。 これらの大地震により、ライフラインであるガス·水道などの埋設配管は被害を避けられず、市民生活に多大な影響を与えることが繰り返されてきた。 埋設配管の震害事例の調査·解析等により、発生する地震の規模によりいかなる被害が埋設配管に発生するかについてもある程度想定がつけられるようになってきた。 本文では、既往地震による埋設配管の被害状況、それらを反映すべく制定された耐震設計基準·指針類による耐震設計手法、被害を受けた埋設配管の復旧について、ガス導管を中心に述べる。