第2回 数式処理＜Maximaを使った、誰でもできる数式処理、微積分計算＞

摘要

エンジニアリングを含めて自然界の物理的現象には、連立方程式、あるいは微積分方程式の解で説明できることが多い。例えば、静的解析では荷重と変位のフックの式で解が得られるし、運動を表す方程式は質量、減衰、剛性を用いて、時間に関して2次の常微分方程式で表して解を得ることができる。物理現象を理解する上で最も重要なことは、その現象を表現するパラメータ（変数）が何か、そしてそれらがどのような関係にあるかを導くことで、得られた方程式を解くことに多くの労力を割くことはできれば避けたいと思うのがエンジニアの偽らざる本音でなないだろうか。この面で、大きな助けとなるのが数式処理ソフトウェアであるこ数式処理ソフトウェアとは、数式のまま計算をすることのできる計算機プログラムのことである。電卓的に数式を入力計算できるだけでなく、集合、ベクトル、配列、数列、級数、行列、関数などの様々なデータ型を扱うことができ、それらをプログラムして処理することのできるプログラミング言語としての機能をもったソフトである。ここでは、フリーでオープンソースな汎用数式処理ソフトウェアであるmaximaを紹介する。