潤滑被膜処理と周水圧深絞り法によるアルミニウム板の脱潤滑油深絞り特性

摘要

潤滑被膜処理アルミニウム板を固定しわ抑え方式による金型法と水を圧力媒体とした周液圧深絞り法により成形し，潤滑被膜処理板の周水圧深夜り特性と脱潤滑油深絞り法の可能性について検討し，次のことを明らかにした。 （1）適正な潤滑被膜処理を素板に施せば，従来の金型法で潤滑油を用いなくても，原板に潤滑油を塗布した場合と同程度の深絞り加工が可能となる。 （2）周水圧深絞り法において潤滑膜を素板に被覆すると液体シール効果が向上する。（3）周水圧深破り法において，潤滑膜を両面に被覆するとパソチと成形側壁部に発生すを摩擦保持効果が有効に作用しなくなり，原板の潤滑油を塗布しない周水圧深絞り法より限界絞り比が低下する。 （4）潤滑被膜処理板と周水圧深絞り法とを組合せ，脱潤滑油深絞り限界の向上を図るにほ，フランジ部のみ潤滑膜を被覆し，パンチ底部およびパンチ肩部と接触する面には被覆しない方法が限界の向上につながる。