高ひずみ速度加工によるアルミニウム合金の特性改善

摘要

冷間塑性加工を利用したアルミニウムおよびアルミニウム合金の特性制御は圧延，鍛造，押出，引抜き，プレスなど，様々な方法で行われている1）～3）。冷間での塑性加工によって，転位の導入によるひずみ（転位）強化により，成形しながら材料強度を高めることができる。固溶強化型合金ではH処理，時効硬化型合金ではT3処理やT8処理などで実用合金にも広く活用されている3）。実用アルミニウム合金に適用される塑性加工の速度範囲は最大でも10程度のひずみ速度であると推測されるが，それ以上の大きな速度で塑性加工を作用させた場合に生じる材料特性の変化については不明な点が多く残されている。