高保磁力Nd-Fe-B系焼結磁石の履歴曲線の精密測定に関する検討

摘要

希土類磁石特性の工業的測定法は，JISC2501永久磁石試験法（以下，JIS法と略す）が広く普及している．JIS法は円柱または角柱状の試料を予めパ′レス高磁界で着磁後，鉄芯を使用した電磁石に挟hで同一磁化方向に磁化した後，自記磁束計を用いて主としてかH減磁曲線を測定するものである．鉄芯の磁気飽和のため，10mmの確極間隔に発生できる最大磁界は約2.0～2.4皿である．高い保磁力助を有する希土類磁石のJ－H履歴曲線を得るためには4m以上の高磁界が必要である．また，電磁石のの透磁率の減少に伴い，鏡像効果が変化するため，磁化信号に異常な減衰が表れることが一般に知られている．そのため，JIS法で正しく測定できる助の上限は1.7MA/m程度である．これらは，鉄芯電磁石を用いた振動試料型磁力計（VSM）の場合も同様である．