熱処理によるNd-Fe-B系焼結磁石の保磁力改善の検討

摘要

近年Nd-Fe-B系焼結磁石は様々な機器に利用されており，今では欠かせない材料となっている．特に最近ではハイブリッド自動車の駆動モータ用にも使われるようになっている．しかし，Nd-Fe-B系焼結磁石のキュリー温度は約310°Cと低いため，温度上昇に従って保磁力が減少し，磁石特性が劣化してしまう．そのためNd-Fe-B系焼結磁石の保磁力を高めるために，主相表面の結晶磁気異方性に着目した研究や，粒界の構造や磁気特性と保磁力の理論的な研究，強磁場中熱処理による検討，低温熱処理によろ検討が行われている．本研究では市販されているNd-Fe-B系焼結磁石を用いて熱処理による保磁力の改善について検討を行ったので報告する．