アルツハイマー病アミロイドβタンパク質の凝集における生体膜の役割

摘要

アルツハイマー病（AD）は老年性認知症の約1／2を占め，遺伝性の強い家族性ADと孤発性ADに分類される．AD患者の大部分を占めるのは後者である．ADの病理学的特徴の一つに脳への老人斑の出現が挙げられる．老人斑の主要構成成分は，アミロイド線維を形成したアミロイドβタンパク質（Aβ）であり，このAβが異常凝集して禰経細胞に障害を与えることがAD発症に密接にかかわっていると考えられている（βアミロイドカスケード仮説）．