圧縮機直線翼列内における入射角が翼端漏れ流れの挙動に及ぼす影響

摘要

本研究では、翼端間隙を有する圧縮機直線翼列内の流れを調査し、以下の結論を得た。(1)入射角の増加に伴う翼負荷の増加は、翼端漏れ流れの負の軸方向運動量を増加させ、翼端漏れ渦を翼面から離脱させる。また、翼端間隙部をEndwall側から流出する流れは、翼端面側の流れに比べてより大きな負の軸方向運動量を有しており、漏れ渦の翼面からの離脱を助長していると考えられる。(2)翼端漏れ渦はその崩壊により隣接翼の翼前縁圧力面付近にブロッケージを形成し、同翼への入射角を増加させる。この傾向は入射角の増加に伴い強まる。(3)入射角の増加は、翼前縁付近の負荷の増加により翼端漏れ渦を増強することで、さらに高入射角の条件では翼端漏れ渦を崩壊させることで損失生成を増加させる。