廃プラスチックの化学原料化の 資源循環型社会の実現を目積して

摘要

国内では年間900～1000万トンの廃プラスチック（以後廃プラと略記）が排出されており，その有効利用 率は2014年時点で83％と報告されている。しかし，その内訳は，材料リサイクルとフィードストックリ サイクルの合計がわずか25％，残りの58％はエネ ルギー回収となっている。つまり，75％の廃プラは， 大部分が焼却によりCO2になるか埋立処分されてい る。化石資源消費は長期的展望のもと今から削減して いく必要があり，一方CO2排出抑制は，COP21にお ける「2°C目標」の締約国間合意を受け，喫緊の課題 となっている。さらに，地球的規模で，廃プラの越境 移動·不法投棄を発端とした環境汚染も深刻な環境問 題となっている。よって，廃プラを廃棄物とせず，貴重な炭素資源としてリサイクルする意義は極めて大きい。