かご型シルセスキオキサンを基盤とした新規機能性材料の創製

摘要

かご型シルセスキオキサン（POSS）は一辺が0．3ナノメートルのシリカの立方体構造を持つ分子である。各頂点上の置換基に様々な修飾や機能性分子の導入が可能である。また，剛直な立方体核から放射線状に側鎖が存在していることから，機能性分子集積のための足場材料として用いると八官能性の平面状化合物とは異なる立体的配置が実現できる。田中一生氏はこのような構造的特徴を有するPOSSを光学材料や生体関連材科開発の分野に導入することで，特異な機能を発見するとともに材料設計のための新しい指針を確立した。以下，同氏の主な業績を紹介する。