日本の製造法特許時代における医薬品特許係争裁判についての体験的研究

摘要

初めに著者が医薬品特許係争裁判に関わるようになった経緯を簡単に記す．1964（昭和39）年10月，東京オリンピックの開催時に筆者は八幡製鉄（株）本社東京研究所（現在の新日鉄（株）先端技術研究所）から，東京理科大学薬学部に赴任し教授として薬品製造化学研究室を主宰した．以後，定年退職までとその後の数年の35年にわたり数十件の医薬品特許係争裁判に関わってきた．この間に医薬品特許の制度の改正もあり日米欧の医薬品企業における医薬品特許の考え方と対応の差異を学ぶ機会を持った．これらについて著者の特許係争実験の体験を論述する．