熱エネルギーを電気に変えるセラミックス新しい酸化物熱電変換材料の開発

摘要

固体に温度差ΔTを与えると起電力ΔVが発生する現象は，発見者の名前を冠してゼーペック（Seebeck）効果と呼ばれる。発生する熱起電力（thermoelectromotive force）を単位温度差当たりで表したのがゼーペック係数S＝ΔV／ΔTであり，熱電能（thermopower）ともいう。 温度測定に用いられている熱電対と同じ原理で温度差から直接電力を得る熱電発電は，図1のように金属対ではなく半導体のp－n対を用いることにより大きな電力を得ることが可能であり，騒音·振動·排出物を一切伴わず，しかも微小な温度差からでも発電が可能なため，低品位の未利用熱エネルギーを電気エネルギーにアップグレードできる分散型発電技術として期待されている。