日本海沿岸で粒径別連続採取したエアロゾル中の水可溶性イオン種および微量金属成分による長距離輸送現象の解析－2002年春の黄砂イベントを中心に－

摘要

中国をはじめとする東アジア地域においては，今後大気汚染物質の排出量の増加が見込まれており，特に西日本および日本海側は長距離輸送の直接的な影響が懸念される地域となっている。エアロゾルの長距離輸送現象としては，春の風物詩である黄砂や，冬季の北西季節風による大気汚染物質の飛来がよく知られており，これらは日本における浮遊粒子状物質や湿性降下物中のイオン成分の観測値に大きな影響を与えていると考えられる。