現代左官事情（その12）「土壁II」

摘要

荒壁、裏撫で、裏壁塗りが終了すると、次工程を最適にする為には墨打ちが重要な施工過程になる。 これは現場の条件によって異なるが貫伏せ前に墨打ちをし、全体の基準を定めて施工にかかることが望ましい。時に柱が細く付け代が十分でない場合には墨打ちを貫伏せ前にした方が塗り代の調整が容易になる。 墨は中付けのちり墨、中塗りのちり墨、貫の上下塗り尻墨を打つ。 道具は朱墨壷、キッカケ、けがきを用いる。墨壷は一般の朱壷であるが、白墨も用意する。これは、高級茶室などでは漆塗りや褐色の木材使用の場合に朱墨では判明しづらくなることがあるためである。