「左官往来」/現代左官事情その51

摘要

土蔵の町と知られる埼玉県川越市から、さらに奥に約10kmのところに川島町がある。 荒川·入間川·市野川、越辺川と四方を川に囲まれた関東平野の田園地帯で、豊かな自然が今も残る町である。 この町の出身者に日興諾券の創立者·遠山元一（1890－1972）がいる。 遠山家は数百年前よりこの地で根をおろす農家で,2,400坪にわたる広大な屋敷内に梅が多く植えられていた。これを人々は『梅屋敷』と称して畏敬していた。しかし、元一の父が事業に失敗して、家屋敷まで人手に渡り一家離散の悲境に陥った。