ルテニウムカルポニルクラスターを触媒として用いたヒドロシリル化反応を基軸とする高活性觸媒反応

摘要

アルケンやアルキン，アルデヒド，ケトンなどの不飽和炭化水素への触媒的ヒドロシリル化反応は，様々な有職ケイ素試薬の合成法として有用な反応であるユ）。触媒としては主としてHコPtC16，RhCl（PPh3）3，Co2（co）8，NiCいPPh3）2などの複層期遷移金属錯体が有効であり，触媒的不斉ヒドロシリル化反応を達成する触媒も知られている?基質としてはアルケン，アルキンがよく研究きれており?極性二重結合であるC＝○を持つケトン，アルデヒドの還元にも有効である。しかしながら，還元反応としての触媒的ヒドロシリル化を，カルポン酸やカルポン酸誘導体のC＝0結合の還元反応や3－7j，C－0単結合の還元反応へ展開した例は少なく8），これらの実現は，ヒドロシリル化反応をより幅広く有機合成反応に応用する鍵となると考えらわる。