面不斉ヘテロ中員環分子の化学

摘要

分子キラリティーは分子特性にかかわる重要国子の1っゃぁり，Pasteurによる酒石酸のキラル現象の発見 （1849年），その後のvan’t Hoff,Le Belによる構造化学的原理の解明（1874年）以来，これまでに膨大な研究が なされてきた。それらの主たる対象は，炭素中心性不斉 を有する分子（キラル炭素分子）であった。これはキラル 炭素分子が天然界に豊富に存在し，生命現象の根幹をを していることから当然であろう。しかしながら，キラル 分子はキラル炭素分子に限られるものではなく，リンや ケイ素など他の元素の中心性不斉分子や，軸不斉分子， らせh不斉分子，面不斉分子などの存在がよく知られて おり，それぞれについて構造有機化学的な基礎研究や種々の応用研究がなされている。