労働科学への旅（2）暉峻義等から始める②

摘要

暉峻はこの論文の冒頭で労働科学を志すに至った理由に触れています。ちょっと驚いたのですが，警視庁に「保健衛生調査部」という部署があり，暉峻はそこで極貧階級の衛生状態の調査を行ったというのです。そして，社会階級が衛生学的な特徴（例えば健康状態）を規定し，衛生学的特徴がまた，その社会階級（の生活）を制約することに気づいた彼は，社会階級と衛生学に興味を持ち，「私の一生をプロレタリアの衛生的文化のための研究にささげようと志し」ました。