働く人びとの深刻な現状を打開するために根本的な制度見直し（ブレイクスルー）を

摘要

労働環境をめぐる状況は極めて厳しい。経済危機の深刻化で大量の非正規労働者が首を切られ，失職があいついでいる。著しいGDPマイナス成長下では先々，正社員の雇用継続にも不安材料が多い。過去11年，自殺者は年間3万人を越え，今年の上半期は昨年の同時期よりさらに8,000人以上多い。特に最近は30歳台に自殺のピークがある。1998年，初めて自殺が3万人を超えたときは，40～50歳代がピークで背景には多重債務など不況の影響が大きかった。現在の30歳代はいわゆる“Iost generation”世代である。1996年以降，製造業への派遣の解禁など雇用環境悪化や，過重労働のひずみをもろにかぶった30歳代がさらに心身に深刻な打撃を受けているのではないか？と危惧される。