CAE技術を用いた高周波同軸ケーブルの曲げ耐久性評価

摘要

携帯電話に代表される移動体通信の基地局などに用いられる高周波同軸ケーブルは，通話エリアの拡大などに伴って近年需要が増加している製品である。また移動体通信用途以外にも，その他の無線通信用，列車無線用，放送用などさまざまな用途に使用されるためその品種は多岐にわたっており，それぞれの市場からケーブル高性能化のニーズも強く，設計·開発期間のスピードアップが不可欠となっている。そこで当社は，金属材料の低サイクル疲労における経験則として知られるCoffin-Manson則と，CAE技術の一つである非線形有限要素法による構造解析を用いたシミュレーションを組み合わせることにより，試作することなく高周波同軸ケーブルの曲げ耐久性を評価することが可能な手法を開発した。これにより設計段階でケーブル構造を最適化することが可能となり，製品の信頼性を向上させるとともに，試作回数の大幅減を実現し，刻々変化する市場ニーズに即応可能な体制を整えている。