抵抗溶接を応用した金属と炭素繊維強化樹脂の異材接合

摘要

抵抗溶接を応用した金属と炭素繊維強化樹脂の異材接合の開発を始めたきっかけは自動車の軽量化を目的としたマルチマテリアル化への対応のためであるが，根本的な問題として地球温暖化がある。地球温暖化により異常気象や海面上昇などの問題があり，生態系への影響が懸念されている。地球温暖化の原因となる温室効果ガスにはCO（一酸化炭素）やNO_x（窒素酸化物）などがあるが，とくに多く排出されているガスがCO_2（二酸化炭素）である。2015年度の日本における温室効果ガスの排出量の92.7%がCO_2で，そのうちの17.4%は運輸部門によるものである。これらの数字の通り，自動車などの輸送機が排出する温室効果ガスの排出量は非常に多いため，自動車に関係する規制として自動車排出ガス規制が設けられている。この自動車排出ガス規制は年々基準が厳しくなり，この基準をクリアするために自動車業界ではより燃費が良い自動車の開発が活発に行われている。燃費を向上させるには車体重量を軽くすればよいが，安全性も考慮しなければならないため，自動車の軽量化と安全性を両立させるために様々な材料を適材適所に使用するマルチマテリアル化が進hでいる。