ホットワイヤ·レーザ法による高張力鋼板狭開先溶接法の開発と継手特性制御

摘要

新たに開発したホットワイヤ·レーザ溶接法を高張力鋼板狭間先継手に適用することを試みた。本港接法は母材とワイヤそれぞれの溶融を独立制御可能であるため，溶接金属部特性を添加ワイヤ種（組成）によって任意に制御することができる。また，従来の溶接法と比べて母材希釈量や投入熱量を著しく低下することが可能となる。そのため，溶接金属の靭性確保のため軟質継手となる場合であっても，軟化域（熱影響部＋溶接金属部）を狭くすることで，塑性拘束効果によって継手強度の低下抑制が期待できる。本稿では，980MPa級高張力鋼板に対して，強度の異なる数種の添加ワイヤを用い，ホットワイヤ·レーザ溶接法適用を検討した例を紹介する。とくに，軟化域の生成を低減させるため，開先幅3mm程度の狭開先継手を採用し，得られた溶接継手特性の特徴などを紹介する。