アークを用いた3Dプリンタープロジェケトの動向 - 金属ワイヤ溶融·積層方式による三次元造形プロセス·挙動の解析

摘要

アーク放電により金属ワイヤを溶融し，積層することで三次元形状を造形するWAAM（Wire Arc Additive Manufacturing）は，（1）造形速度が数kg／hと高く，大型の造形物が製作可能である，（2）造形用材料として市販の溶接用金属ワイヤを用いることができるので，造形用材料に金属粉末を用いるSelective Laser Melting方式やDirect Metal Deposition方式と比べてコストが低い，（3）造形装置として市販の溶接装置を使用することができる，といった特徴を持つアディティブマニュファクチャリング技術であり，国内外で実用に向けた研究開発が進められている。WAAMにより製作される部材を，必要とされる金属組織，機械的特性や寸法精度とするためには，造形プロセス中のアーク放電条件（溶接プロセスにおける溶接条件に相当する）を適切に設定し，造形時の溶融金属の流動状態や造形物が受ける温度履歴を制御する必要がある。そのためには，造形プロセス中のアーク放電条件および造形部の温度評価が重要となる。