データベースによる有機化合物の構造と熱力学性質の相関解析

摘要

近年、個別の研究分野·技術分野 にとらわれず、デジタル化された巨大なデータの集合を、統計学、機械学習などの情報処理技術を駆使して処理して知見を得るアプローチがデータ科学（data science）として注目されている。生物学ではバイオ·インフォマティクス（Bio-informatics），化学では化合物インフォマティクス（Chemo-informatics）など、専門的知見とデータ科学との融合により新しい研究分野が創出されてきた。化合物インフォマティクスにおいては化合物の命名法や表記法の標準化の取り組みのうえにPubChemなどの巨大データベースが構築され、RDKitなどのオープンソースソフトウェアの活用により発展が加速されている。特に創薬や化学物質の毒性評価では構造活性相関法（Quantitative Structure Activity Relationship, QSAR）として認知されている。