微少流量用超音波流量計－ストレート形超音波流量計の測定原理と応用上の注意点

摘要

測定導管にフッ素系樹脂の直管を用いた超音波流量計は、内部に可動部品、シール部分が存在しない、また異物溶出や混入の惧れが殆hど無いことから、広く半導体製造、医薬品·食品プラントに用いられる。 ところが、測定管の口径が小さくなると、従来の超音波方式のクサビを用いた斜入射方式では、測定距離が短くなり過ぎて実用的でなくなる。 これに対して、小口径でも測定できるように、流路の入口と出口を直角に折り曲げて、測定管部を長く取れるようにした、所謂「コの字」形の超音波流量計が広く用いられている。しかし流路を直角に折り曲げることから来る流速分布の乱れが、校正時と現地設置時での再現性に影響を与える倶れがある。 当社では、あくまでストレート管にこだわり、細い管を伝搬する超音波の伝搬特性を解析した結果、上流から下流への超音波伝播時間、逆に下流から上流までの超音波伝播時間、それにもう1つ、超音波の振動周波数の3個の変数から、近似的に流速を演算する「ω{sub}0方式」を開発した。 ここに、本方式の測定原理の要約と、実際に応用した時の注意点や特性データを説明する。