2014年の技術と成果〔1〕研究·開発

摘要

2012年7月に開始された固定価格買取制度によって、日本の再生可能エネルギー、特に太陽光発電システムの導入量は急激に増加している。当社は、1979年に太陽光発電用パワーコンデイショナ（以下「パワコン」）の開発に着手して以来、30年以上にわたり、太陽光発電事業に関わり、多数のパワコンを納入してきた。しかし、再生可能エネルギーの大量導入にともない、電力系統が不安定になる可能性が顕在化し、電力各社が次々と接続回答を保留する事態となった。これに対し、当社は、この問題に対応するための機能を搭載したパワコンの開発を行っている。一方、当社は、1917年の創立以来、受変電設備を主力製品として、日本あるいは世界の電力供給に貢献してきた。これまでに当社が納入した受変電設備は、納入後30年以上経過した高経年設備も多い。これらの高経年設備を、お客様に少しでも長くご使用いただくためには、設備に使用している電力機器や部材の劣化診断が重要である。そのため、当社は、受変電設備の開発·製造だけではなく、劣化診断技術·劣化診断装置の開発も行っている。また、当社は、受変電設備、劣化診断技術やパワコンの開発の他に、ICT（Information and Communication Technology）の基盤となる、半導体や機能材料の製造装置·プロセス技術などのビーム·真空応用分野にも注力している。近年では、4Kや8Kと言われる高解像度のモバイル機器や大型テレビの登場に対応するため、これらに使用する薄膜トランジスタ（TFT）用の製造装置の開発も行っている。以下に電力機器、エネルギー、ビーム真空応用、ライフサイクルエンジニアリングの各ドメインにおける2014年の研究成果を紹介する。