大阪ガスが新中期経営計画多角的企業への方向転換打ち出す

摘要

大阪ガスはこのほど，来年度から向こう3年間を対象とした新中期経営計画「Design2008」を策定した。 同社は1999年11月に策定した長期経営計画「2010年ビジョン」のもとで現在「価値創造の経営」を積極的に推進しているところ。 その中の中期経営計画「イノベーション100」（2003～2005年度）もいよいよ最終年を迎えることになり，このたび新しい中期経営計画を策定したものだ。 この中で，同社は①都市ガス事業の競争力を引き続き強化していく，②電カ事業の本格展開やエネルギー事業の広域展開など新たな中核となるマルチエネルギー事業者へと発展していく，③アドバンテージである非エネルギービジネスを拡大していく―仙として，これまでの都市ガス事業一本槍の経営から，多角的企業への大きな方向転換を打ち出している。 実際，同社のこの数年のガス販売は家庭用は高気温の影普などで伸びず，工業用も関西電カによって大口供給が大幡に奪われるなど都市ガス大手4社の中で最も苦境を強いられている。 それでも経営が順調なのは，公益事業という認可料金に守られていることと天然ガスという時代の風に乗ったエネルギーを販売しているためで，その内実とは裏腹の結果になっているといえよう。 しかし，同社自身は現在の経営危機をとっくに察知しているもようで，今回の新中期経営計画にはそれがはっきり現れている。