ジッダで産油·消費国が緊急会合サウジ増産に市場は反応せず

摘要

WTIが140ドル／バーレルに迫るなか，原油価格高騰への対応を協議するため，主要産油国と消費国は22日，サウジアラビアのジッダで緊急閣僚会合を開いた。 会合はサウジが呼びかける形で開催されたもので，産油国側からはOPEC加盟国，また，消費国側からは日本の代表として甘利明経済産業相，ボドマン·米エネルギー長官，ブラウン英首相，習近平中国国家副主席ら各国閣僚が参加した。 参加国は現在の原油価格の激しい変動に懸念を表明し，原油価格の高騰は世界経済，特に発展途上国の経済に有害であるとの共通認議のもと，「原油市場の安定には生産国が生産余力を持つことが重要」「高品ファンドのデータ整備などを通じて，金融市場における透明性と規制を改善させるべき」などとした共同声明を採択し，幕を閉じた。 産消による対話はこれまでも何度か行われてきたが，最大産油国のサウジ主催ということで今回は異例の会合といえる。 公の場で自国の増産を表明する一方で，原油価格高騰の一因とされる投機マネーへの規制強化を要請することで，行き過ぎた原油市況を冷まそうとの意図だが，サウジが表明している50万缶／日の増産は既に市場で織り込まれていたもので，また，投機マネーについても具体的な対策を打ち出せなかったため，市場への影響は限定的との見方が多い。