BEAを着実に進めアライアンスの具体的な成果示す

摘要

－原油情勢について－米国を中心とした先進国による国際秩序の揺らぎ，中国やロシアによる国際社会への挑戦，イスラム過激派によるテロ拡散脅威，北朝鮮の核兵器や弾道ミサイル問題等々，歴史的な大転換期となる事象が現在進行形で進hでいる。正に世界は新たな秩序を模索している状況にあり，かつて経験したことのない不確実性が高まっている。そしてサウジアラビアを中心とする地政学リスクへの警戒感が足元の原油価格の下支え要因となっている。情勢が沈静化するには時間がかかると考えられ，当面はこの地政学リスクによるプレミアムザ原油市況を下支えする状況が継続するだろう。また，12月未まで延長されたOPECと非OPECによる協調減産の実行により消費国の原油·製品在庫の取り崩しがしばらくは進み，原油価格は緩やかな上げ基調となる。一方，2018年の米国のシェールオイルの生産量の6割強が既に50ドル程度でヘッジされていることに加え，生産コストの低下も進hでいる。先物によるヘッジをしていない生産者においても抽価が現在のレベルで継続すれば採算がとれることになり，その結果増産が進み，上値を抑える要因となるとみている。