原油続騰，産燃油市況50円台へ内航4～6月分，異例の8月末決定

摘要

中国等の需要増に対する供給不安を背景に投機資金の流入が活発化して原油市況は8月も続騰し，ドバイ原油東京市況終値の過去最高値更新は5回にも及hだ。 引き続いて8月未にはアメリカ南部に猛烈なハリケーンが上陸して原油生産·精製施設に甚大な被害をもたらしており，原油市況の高騰は当分収まりそうにない情勢だ。高水準で推移する原油市況を受けて，国内石油元売各社の9月仕切は2.0～2.3円／lの値上げ打ち出しとなった。 7月から3カ月連続の大幅値上げとなるもので，今年に入ってからの上げ幅累計は新日石ベースで18.0円／lにも達している。 現状の原油市況水準が続けば10月仕切も値上がりが確実で，元売仕切は高水準を維持したまま需要期入りしそうな情勢だ。真夏の値上げ交渉で疲れ切った産燃油ディーラー各社と需要家各社だが，一息つく間もなく9月も値上げ交渉を続けなければならない。 上期の上げ幅が1万円／klを大幅に上回ってくる中，内航大手海運向け4～6月分価格交渉など，決裂した交渉が8月末に異例の再交渉となって決着となったケースも出てきたが，石油側にとっては大幅値上げ要請の行き着く先が需要家からの燃転通告ともなりかねず，販·消の交渉は厳しさを増すばかりだ。