ガス販売不振の大阪が大幅増益都市ガス大手4社の18年3月期中間

摘要

東京，大阪，東邦，西部の都市ガス大手4社はこのほど平成18年3月期中間決算（個別）を発表したが，各社ともガス販売量の増加でガス売上高が伸び，今年1月から実施したガス料金値下げや売上原価増高が影響して「増収減益」に終わった東京を除いて3社は揃って「増収増益」だった。 天然ガスブームを背景に飛ぶ烏を落とす勢いの都市ガス業界だが，当中間期でも4社のガス販売量は揃って前年同期比プラスを記録し，特に東邦は工業用が好調で全体でも11.4％増と二桁の伸びとなった。 このため，東邦も東京と同様に今年4月からガス料金引き下げを行ったものの，ガス販売量が二桁の伸びを示せば収益が大幅にプラスになるのは当然で，売上げの面では4社揃って文句なしの増収だった。問題はLNG価格が上昇したことによる売上原価の増高で，8.2％の増加に止まった西部を除く3社は二桁の増加となり，それぞれガス売上高の増加分をかなり圧縮した。 それでも東京を除く3社は「増収増益」となり，特に工業用でこのところ不振の大阪が経常段階で48.6％増と5割近い増益となったことは特筆に億する。 なぜガス販売が不振の大阪が好決算だったのか，複雑でわかりにくい今回の都市ガス大手4社の中間決算を次に紹介するが，指摘しておきたいのはすべての数字が前中間の反動を含hでいるということ。今回東京だけが「増収減益」だったといっても，前中間期で「増益」だったのは実は4社中唯一同社だけだったわけで，ガス販売や売上高等すべてそうした反動が含まれていることを頭に入れておかなければいけない。